理念

 願い・祈り・繋ぐ

あす如何にならむは知らず 今日の身の今日するわざに わが命あり
                     (津田 左右吉)

 私達はそれぞれに、遠い過去の祖先から更に未来の子孫に至るその中間にいます。それが「今」です。そして、そこにある「命」は、また、代を重ねて伝えられ、更に伝えて行くものです。
 「命」を繋ぎ伝えるということは、血縁を繋ぐということに限るものではなく、人を繋ぎ、未来に向けてその可能性を確保してゆくという、実に社会的・歴史的な能動性をもっています。生命が、その持続を求めるものであるならば、それ故にこそ、この「今」を、より充実したものとして、次の「今」に繋ぐことが求められます。
 この希求が「願い」であり、強い願いは、やがて純化されて「祈り」となります。大地に根ざした「命」の持続と発展を、神社神道では様々な祭儀をもって祈るものですが、それはすなわち、古代より連綿と「命」の可能性の拡張を願ってきたものといえるでしょう。
 この「今」を疎かにせず、自分に繋がる関係性の中に自分を位置づけて、未来の「今」に向けて現在の「今」をしっかりと生きる。そのなかに、人の本義もみられるでしょう。